今回のテーマは数(かず)です。
お風呂で1~10の数の暗唱はできるけど、実際のものを数えさせてみたら全然数えられない!なんてことありませんか?
実は幼児にとって、“数の暗唱”と“実際に数が数えられる”というのは全くの別物なのです!
数字が好きになると算数も好きになる♪
算数は他教科でも使うし、数学にもつながる。
何より、日常生活でも使うものです。
やっぱり苦手に思うよりは好きで得意になってほしい。
今回は、
- 子どもの数の理解
- 楽しく数の概念を教える方法
についてまとめつつ日常生活の中でできることを中心にご紹介します。
ちなみに私は理系です。
両親も、私の妹弟もみな理系の理系一家。
算数にあまり苦労したことがない私が感じていたのは、幼い頃から体験と結びつけて数を学んでいくことで、算数を学ぶ時に役立つ算数的感覚が身につくということ。
その経験をもとに、自分の子供にも今回ご紹介する方法を何気なくやっていたら、自然と息子も娘も数が大好きになりました。
また、Z会の親向け情報誌でも、
『算数体験が多いほど算数や数学が“感覚で”わかる』
と紹介されており、私が感じていたことは正しかったんだと少し自信もついたので記事にしてみました。
「数ってなに?」と聞かれたら…
「数ってなに?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか?
この問いって結構答えるのが難しいですよね。
だって数にはいろんな意味があるから・・・
- 数そのものを表す『数字』
- ものの量や多さを表す『集合数』
- 何番目、○より多いなど、物事の順序の位置づけを表す『順序数』
- 電話番号、テレビのチャンネルなどの『記号数』
大人はこれらを考え込むことなく瞬時に使い分けていますが、
幼児期の子どもたちは最初からこの使い分けはできません。
お風呂で1・2・3…と数えるとは出来ても、目の前にあるおもちゃの数がいくつなのか、
おままごとをしていてりんごを3つちょうだいと言っても???だったりします。
幼児期の数の理解で大切なのはその数があらわすものの量がわかること。
つまり、集合数の理解が重要です。
数が数えられるのと物の数が数えられるのは違う
1・2・3…と数を暗唱できることと、物の数が数えられるのは全くの別物。
子どもとお風呂で1~10まで数えることが多いと思いますが、この数の暗唱はただ大人の言っている言葉を繰り返し言葉にしているだけです。
「いち・に…」と言ってはいるけれど数字の「1」やリンゴなどの具体物が一つ頭に浮かんでいるわけではありません。
だから、目の前のものを数えようとしても、「言葉の“数”」と「実際のものの数」が対応していないので、
「いち、に、さん、ご、よん…」というように、言葉の“数”を言っているだけで数えることはできないのです。
この時の子どもを見ていて、数字に弱い・算数苦手になっちゃうのかな…と心配しないでください。
手順を踏んで数に触れていけば、自然とできるようになっていきます♪
「3」までの数の理解がとても大切
1歳未満の乳児でも、3までの数は感覚的に認識できていることが実験により明らかになっています。
●と●●●が違うことは赤ちゃんでもパッと見て理解しているということ。
少ない数なら脳一瞬で判断してくれるんですって!
幼児が感覚で理解できるのが3まで。
4以上の数は幼児にとってはとても難しいのです。
だから、まずは3までの数を繰り返すことで、暗唱している「さん(3)」が数字の「3」であり、実際の具体的なものが「3つ(個)」であると一致させていく必要があります。
3までの数でこの対応ができてしまえば、あとは5・10と、少しずつ数を増やしていくだけ。
とにかく、3までの数がとっても重要です!
焦らずじっくり、楽しく数に触れる機会を増やしていきましょう。
数字の暗唱(数唱)は2才前後にはできる子が多い。
でも、数唱と具体物の対応(※)は、3までの数なら3才、5才でも10前後なのが平均的と言われています。
※数唱と具体物の対応とは、リンゴが2つあった時に「いち、に、だから2個」とわかること
数字の暗唱(数唱)からスタート
みさき家も、まずは手軽にできる数字の暗唱をするところから始めました。
息子が数唱を始めたきっかけはズバリ、ノンタンの絵本です!
1才半~2才の頃、ノンタンシリーズにハマっていた息子。
ご存知の方も多いでしょう、「ノンタン ぶらんこのせて」という絵本です。
ノンタンと仲間たちが1~10まで数えて、10になったら順番をかわるというお話。
いーち、にー、さーん、し-い、…きゅう、じゅう、おまけのおまけのきしゃぽっぽ、ぽーっとなったらかわりましょ、ぽっぽー
「ノンタン ぶらんこのせて」より引用
このフレーズが気に入った息子と、お風呂や遊びを終わりにする時に唱えているうちに10まで数唱ができるようになっていました。
日常生活の中で数を意識した声かけの例
数に関することはドリルなどの座学よりも、遊びの中の声掛けで数に触れる方が自然と子どもの中に入っていきます。
日常生活の中にあふれる”数”。
「身の回りにはこんなに数がたくさんあるんだよ」と数を知るきっかけを作り、それが面白く楽しいものなら、子どもはどんどん吸収していきます。
お家で出来ること
男の子に多いと思うのですが、車や電車などをひたすら並べるのが好きだった息子。
息子が2才~3才の頃、ミニカーを並べる隣で、私が「かず」を数えていました。
というように、息子はまだ理解できていないだろうけど、かずに関する声掛けをどんどんしていきました。
1~3までの理解が大切なので、息子とやり取りをする時は「車を1台貸して♪」とか、「レッカー車に3台乗せてみよう!」など3までの数。
絵本を読むときも、「読みたい絵本を2冊持ってきて」など、集合数を意識した声掛けをしていました。
娘はおままごとをする事が多いので、
「パンとリンゴを1つずつちょうだい」、
「(お客さんに見立てた)ぬいぐるみたちに、食べ物と飲み物を1つずつ配ってみよう」
といったような声かけをしています。
外遊びでできること
外遊びの時にできる数に関する声かけをご紹介します。
2才くらいの子だと、木の枝や石、落ち葉、どんぐりなんかを拾って集めるのが好きじゃないですか?
息子は石やどんぐり、娘は木の枝を集めるのが大好き!
ヨチヨチ歩きで拾って来てはベンチなどに並べて遊んでいました。
そして、ひと段落したら、集めたものの数を子どもと一緒に数えます。
数種類のものを集めていたら、多い少ないの比較もできますね。
- ものを数えるだけでなく、あと3回滑り台を滑ったらお家に帰ろう!
- ジャンプを2回してみよう!
といったように、身体を動かして数を体感するのも良いですよ。
お買い物で出来ること
お買い物もかずに触れる大チャンス!
買いたいもので、子どもがとって来ても大丈夫そうなものはどんどん子どもに任せます。
子どもがぐずると大変だからパッと済ませたいところなのですが、なるべくお店に人が少ない時間帯を選んで、お買い物をするようにしていました。
おわりに|日常生活の中で楽しく数の概念を教えていこう
“数”は幼児が初めて出会う抽象的な概念です。
一朝一夕には理解できません。
日常の会話や声かけで少しずつ少しずつ、時間をかけて教えていきます。
数の概念を教えていくときに大切なのは次の3つです。
- 他の子と比べない
- 焦らず子どものペースに合わせる
- たくさん褒めてあげる
周りの子を見て焦ってはいけません。
現時点で数の理解が早いか遅いかは重要ではないのです。
とにかく1〜3までの数を丁寧に、繰り返し教えていく。
遊びやお買い物で数に関する声かけをしたとき、合っていたらたくさん褒めましょう。
間違っていた時は、「おしい!でもよく考えたね。もう一回いっしょに数えてみようか」とポジティブに対応します。
数って面白い!もっともっと知りたい!という感覚をインプット。
楽しい・面白いものとわかってしまえば、自然と数に関する言葉もどんどん増えていきます。
数好きに育った息子(5才)は、好きが高じて小学生の算数を先取りするほどになってしまいました。
分かるのが楽しい!とRISU算数をどんどん進めています。
関連記事>>幼児でも小学生の算数が解けちゃう!?RISU算数体験レポ
階段を一段一段のぼるように、繰り返し・スモールステップで数を楽しむことが、”算数好き”への近道かもしれません。
ぜひ、言葉のシャワーと実体験で数の概念を伝えていきましょう!
数に興味が出てきたら、手を動かして、目で見て数の概念を理解するのに100玉そろばんを使って学習を進めます♪
◆遊びながら数の概念を身につける方法
- Step1.数に関する声掛けをする(←今ココ)
- Step2.「100玉そろばん」で数の理解を深めよう
◆算数の学習に必要な力を育てる方法
- Step1.お絵かきで筆記用具を使う練習をしよう
- Step2.鉛筆を使ってみよう
- Step3.簡単な迷路に挑戦してみよう
- Step4.複雑な迷路や条件めいろに挑戦してみよう
- Step5.めいろ絵本でいつでもどこでも迷路に挑戦♪
◆数を書いてみよう
幼児期に必要なのは知識の詰込みではなく、
体験や経験から「考えること」「気づくこと」
それが後々役に立つ!
【あと伸び力を育てるZ会】
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